「日本人は英語が得意ですか?苦手ですか?」
と聞かれたら、多くの人が「苦手」と答えると思います。日本では中学校・高校・大学と英語教育が含まれていたにも関わらず、今の大人世代は30代であっても「英語は苦手・・・」と答える人が多いようです。
これだけ時間を積み重ねてきているにも関わらず、なぜ日本人は英語が苦手なのか?不真面目なのか?いえ、勤勉さが取り柄の日本人が「不真面目だから英語が苦手」なわけがありません。
そんなわけで、今回は日本人が英語が苦手な理由について掘り下げていこうと思います。
日本人が英語が苦手な理由
日本人が英語が苦手な理由は、複数の要因が絡み合っていると考えられます。以下に、代表的な要因をいくつか紹介します。
- 文化的・歴史的背景
日本は、長い間隔離された島国であったため、外国との交流が少なかったという文化的・歴史的背景があります。そのため、英語を話す必要性が薄く、英語に対する関心も低かったと考えられます。また、日本は昔から漢字やかな文字といった文字体系が発展しており、アルファベットという文字に慣れていないことも英語が苦手な原因の一つです。
2.英語教育の問題
日本の英語教育には、いくつかの問題点があります。例えば、授業時間が少ないことや、英語を使ったコミュニケーションの練習機会が少ないことが挙げられます。また、英語の発音やリスニングに重点を置かない授業が多いため、正しい英語の発音や聞き取り能力を身につけることができないという問題もあります。
3.英語に対する恐怖心
多くの日本人にとって、英語は「苦手な科目」「克服しがたい壁」として捉えられています。このような恐怖心があると、英語に対するモチベーションが低下し、学習意欲が減退することがあります。
4.言語的背景
英語と日本語は、語彙や文法、発音などが全く異なる言語であるため、英語を学ぶには一定の時間と努力が必要です。また、英語には多くの方言やアクセントが存在するため、日本人にとって聞き取りやすい英語を身につけるためにも、練習が必要です。
5.翻訳文化の影響
日本では、海外の書籍や映画、テレビドラマなどが日本語に翻訳されていることが一般的です。そのため、日本人は英語を読む必要性が少なく、英語を読むことが苦手となってしまうことがあります。
6.社会的プレッシャー
英語はグローバルな言語であり、国際的なビジネスや学術分野などで必要不可欠なスキルとされています。そのため、日本の社会では英語が重要な役割を持つことが多く、英語力に対する社会的プレッシャーがあると考えられます。このようなプレッシャーがかかると、英語に対するネガティブな感情を抱いてしまい、学習意欲が低下することがあります。
7.環境的要因
英語を使う環境にいないことも、日本人が英語が苦手な原因となっています。日本語を話す人ばかりの環境では、英語を話す機会が少なく、英語に触れる機会も限られます。英語に触れる機会を増やすことができれば、英語学習のモチベーションも高まるでしょう。
8.日本語と英語の文法の違い
日本語と英語の文法の違いも、日本人が英語が苦手な理由の一つです。日本語の文法は、主語が後ろに来るという特徴があり、英語とは異なります。そのため、英語の文法を学ぶ際に、日本語とは全く異なるルールを学ばなければなりません。英語の文法を正しく使いこなすためには、日本語と英語の文法の違いを理解することが必要です。
9.発音の違い
英語は、日本語とは異なる発音があります。そのため、日本人は英語の発音を習得するのに苦労することが多いです。例えば、英語では、”l”と”r”の発音の違いが重要ですが、日本語にはこの違いがありません。また、英語の発音は、強弱やアクセントによっても異なります。英語の発音を正しく習得するためには、練習が必要です。
10.英語への関心が低い
日本人が英語が苦手な理由の最後に挙げられるのは、英語に対する関心が低いということです。英語に対する関心が低いと、英語学習に必要なモチベーションが低くなり、英語が苦手という感情が強くなる傾向があります。英語を学ぶことが必要な理由や、英語を学ぶことが楽しいということを伝えることで、英語への関心を高めることができます。
以上が、日本人が英語が苦手な理由の一部です。しかし、これらの問題点を克服することはできます。例えば、英語教育の改善や、英語に触れる機会を増やすことで、英語に対するモチベーションを高めることができます。また、英語に対する恐怖心を取り除くために、英語を楽しむことができる方法を見つけることも大切です。英語を学ぶことは、チャレンジングでありながら、楽しくもあります。日本人が英語を苦手としないよう、多様な方法で英語学習を支援していくことが大切です。
■日本人が英語が苦手な理由について書かれた書籍5選
日本人が英語が苦手な理由について書かれた本は多数あります。以下にいくつか例を挙げてみます。
1.『英語が苦手な日本人』(堀川洋行 著)
堀川氏は英語教育の専門家であり、本書では日本人が英語を学ぶ上での問題点や改善策を提言しています。
2.『英語脳』(渡辺祐介 著)
本書では、日本人が英語を学ぶ上での課題として、日本語と英語の言語構造の違いや、日本語独自の文化的背景があることを指摘しています。
3.『英語教育の落とし穴』(小林美登里 著)
小林氏は英語教育の実践者であり、本書では、日本の英語教育において何が問題であるか、そしてどのように改善すればよいかを詳しく解説しています。
4.『日本人の英語はなぜダメなのか』(赤星政尚 著)
本書では、日本人が英語を学ぶ上での課題として、文化的背景や教育環境の問題、そして英語を話すためのメンタル面の問題などを取り上げています。
5.『もっと英語ができるようになりたい人のための本』(田口俊樹 著)
本書では、日本人が英語を上達させるために必要な学習法やメンタル面の問題、そして具体的な学習テクニックなどを解説しています。また、著者自身が英語を習得するまでの体験談も含まれています。
以上、日本人が英語が苦手な理由について書かれた本の例をいくつか挙げましたが、これら以外にも様々な書籍があります。
■まとめ
今では、GoogleやYouTubeで検索すると、たくさんの情報が出てきます。当たり前ですが、日本語で調べて出てくるのは日本人(または日本語が話せる人)が書いた情報のみです。日本人は1億人と言われていますが、国連加盟国の中でも、英語が公用語となっている国は、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アイルランド、マルタの7カ国です。また、英語が公用語ではないものの、広く使用されている国としては、インド、シンガポール、フィリピン、マレーシア、南アフリカ、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ、カメルーン、ルワンダ、セーシェルなどがあります。ましてや、中国人など英語圏外の人々も英語で情報をアウトプットしていることを考えると、英語が苦手でいい理由がありません。
日本の義務教育において、英語は小学校5年生から必修科目となります。具体的な学習時間については、学校によって異なりますが、文部科学省が示している指針では、小学校では週2時間、中学校では週3時間程度の英語教育が推奨されています。
ただし、近年では英語教育の充実化が進んでおり、いくつかの自治体では小学校でも週3時間以上の英語教育を行っている場合もあります。また、英語力向上を目的とした特別活動や授業の充実化など、各校で工夫された取り組みが進められています。
しかし、実際には英語教育の状況にはばらつきがあり、全国的に見ても英語教育の充実にはまだまだ課題が残されています。そのため、家庭でも英語に触れる時間を増やすことが求められています。例えば、英語の絵本や教材を用いた家庭学習を行ったり、英語が使われる映画やテレビ番組を観ることが有効です。
総じて、日本の義務教育においては、小学校5年生から週2時間、中学校から週3時間程度の英語教育が行われていますが、家庭でも英語に触れる機会を増やし、英語力向上に取り組むことが大切です。
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